伝えたい言葉


逢えない。見れない。メールは来ても、声は聞けない。
それはすごく寂しいことで、抱いていた枕を、更に強くぎゅっと抱いた。
もうどれくらい逢ってないだろうか。募る愛しさが、寂しさに拍車をかける。

RURURURU.....
どこか寂しさを強める電話の音が、妙に耳に響いた。寂しさと悲しみが心を尽くしている今、とても受話器を取る気にはなれなかった。
「只今、留守にしております・・・・」
留守電が、電話をかけてきた相手に言っている声が聞こえる。相も変わらず女性の無機質な声。早く切ってよ、この機械音、嫌だ。この、枕投げつけてやろうか。
「えーと・・・もしもし?」
その声を聞いた瞬間、あたしはハッとして電話を凝視した。あたしの寂しさの元凶でもある彼の声だ。でも、あまりにも突然の出来事だったから、枕を抱いた儘(まま)の格好で止まってしまった。彼と話がしたい、だから受話器を取りたい、そんな自分の気持ちと身体の意気は合っていなくて、其れにもどかしさを感じる。
「・・・最近全然逢う暇がなくて、メールばかりでごめん・・・。でも・・・でも、いつか俺たちが大人になったらお前を迎えに行くから・・・待っててほしいんだ。俺たち、まだ子供だから逢いに行けないけど、必ず行くから・・・。それだけ。また電話するよ。・・・じゃ。」


ッー・・・ッー・・・ッー・・・・・・


切れちゃった・・・。
彼が喋り終わるまでに受話器を取る事ができななった。折角の彼からの電話だったにも関わらず・・。・・・けど、出なくて良かったのかもしれない。だって、あたしは彼のこの告白を何度も聴けるようになったんだもの。

先刻(さっき)までの気持ちはもう何処かへ飛んでいってしまったみたいで、今では逆に嬉しい気持ちでいっぱい。
そしてあたしは、何度も何度もその留守電を聴いた。



小さな小さな


だけど私にとっては





大きな幸せを
電話で届けてくれた貴方


私は 今







貴方に伝えたい言葉があります。






fin



あとがき
うぎゃあ!!あんまり日記のと変わらないじゃないか!!
なんかね、これ(日記に書いた方)を友達に見せたらさ、「これって未月の願望も入ってるでしょ?」と
言われました(笑)
・・・・ちょっとだけね(ぇ)。ってか逢えないなんてことないから大丈夫。
2004年10月15日の日記より









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